日本最北秘湯伝説

先月、正月明けからしばらく北海道に滞在していました。ひどく寒がりで冬は手がかじかんでキーボードを打てず不自由している私が、いきなり気温マイナスの世界に突入してどうなるだろうと思っていましたが、なんとか体調も崩さず過ごすことができました。

飛行機の窓から見える白と灰色の世界に、「そうか、雪が積もってるんだ」と改めて感じ、空港から外に出てみて張り詰めたような冷たさに驚き、とりあえず処女雪を踏んで遊んでみる関東育ち。北国のイカとタコはたいへんおいしかったです。鱈の白子も新鮮なのが普通にスーパーで売っていてびっくり(現地ではタチと呼ばれているようですが)。ただし野菜は高い……北海道シチューににんじんが入っているのは嘘だー!(笑)

そしてちょっと珍しい温泉に行ってきました。日本最北の地、稚内の少し南にある豊富温泉というところです。交通の便はきわめて悪く、稚内空港から車で三十分強、宗谷本線の駅からバスで十五分ほど。人里からも離れたところにあるので移動用の足がないとたどり着けません。

この温泉の特徴は、お湯に石油が混じっていること。光の加減で湯に油が浮いているのがわかりますし、そもそも建物に入るなり灯油に似た臭いがします。色はちょっとオレンジがかっているでしょうか。「タオルが臭いで使い物にならなくなるから百均で買っていけ」と地元の方に注意されました(がっつり洗濯したらだいたい落ちました)。そして入浴後、自分の身体からなんだか油粘土のような臭いがします……(笑)。翌日に人と会う予定がある場合には行けない温泉ですな。

とにかく地の利が悪いこと、またこの石油の臭いがきついことから、温泉地としてはマイナーなようです。ただし効能は抜群で、以前に温泉に詳しい人が成分分析して「これは効くわ、ただし石油が(以下略)」と言ったとかなんとか。特にアトピーに抜群の効果があるとかで、「ここに数日浸かれば一年はまったく炎症が起こらない」という人もいるそうな。なかなか伝説の秘湯っぽいです。

私はアトピーはあまりありませんが、整体師さんにも呆れられるほどのひどい肩こりです。しかし温泉に行った翌日、肩こりがぴたっとおさまったのでした。あまりに肩が軽いのでかえって違和感があったくらい(なにしろ小学生の時分から凝っていたもので……)。残念ながら一日でその効果は切れてしまったのですが、三十分浸かっただけの私でもこうですから、数日湯治で滞在すればどれだけ治ったのやら。温泉ってすごいんだなあ……と、『テルマエ・ロマエ』を読み返しつつしみじみしてしまいます(笑)。

石油臭からすさまじい効能まで、なかなかエンターテイメントな温泉地でした。もし日本最北の地に行かれることがありましたらお試しあれ。もし今度行く機会があったら、じっくり浸かってみたいところです。

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