あとがき代わりに20の質問
- 1 この小説を書き終えた、今現在の心境を一言で簡潔に言い表してください。
- 『……終わったのかな』。あまり実感がないです。何しろこれ、初稿をとりあえず書き上げたのが二年以上前で、それからえんえん改稿しつつ連載していたので。初稿は何か悪いものでも憑いていそうな勢いで、第八章の途中くらいまでを四ヶ月で書き上げたのですよ。それから少し間を空けて、ラストまで書きました。ラストまでの見通しが立ったから、このサイトを立ち上げたのです。しかし、初稿四ヶ月、改稿二年というのはどうなんだろう……。改稿の時点で、全面的に書き直した章もあれば、ほぼそのままで通過させた章もあるんですが。
- 2 この小説を書く上で、一番書きやすかったところはどこですか?
- 主人公二名の掛け合い。とにかくぱかぱか書けるので楽でした。作者が何も考えていないのが、会話のはしばしからうかがえると思います(笑)。書いていて楽しかったのは、やはり戦闘シーン。後半は少なめなのが残念でしたが。実は、キャラと同時進行で作者も戦法を考えてました。書きつつ、「さて、どうやって倒そうこいつ」……オイ。よく書けましたわ、我ながら。
- 3 この小説を書く上で、一番苦労したところはどこですか?
- 第八章。構想してから文章にするまでに時間があったせいで、あれこれ考えすぎたらしく、いざ書こうとするとなかなかまとまりませんでした。付け足したり削ったり、何度もやっていました。その中でも苦労したのは、リュシウスとカシュラルの絡みですか。この二人に視点を当てすぎると、主人公が何処かに行ってしまうため(汗)、何処をどう削ったものか、頭を抱えた記憶が。二人の最期のモノローグは何度も書き直しました。
- 4 ボツにしたタイトル、仮タイトル、執筆中のコードネームなどありましたら教えてください。
- 「暁の大地」というタイトルからして、サイトに載せるときにほとんど駆け込み寺のような状態で決めたので、ボツにしたタイトルなどはありません。……あ、最初は英語タイトルのつもりでした。それが格好よく英訳出来なかったので、日本語にした記憶が。初稿を書いてるときは、本当にただの「ファンタジー小説」でした。
そういえば、初稿の時点では、カシュラルは違う名前でした。当時の名前は『エストナ』で、女言葉を話していたのです。しかし、改稿の時点で男言葉を話させることにしたため、この名前では女らしすぎるということで、名前を変えました。有難う、パソコンの一括置換機能(笑)。ちなみに、この名前もなかなか決まらず、当時やっていた世界水泳選手権の選手の名前を拝借しました。 - 5 タイトルの由来(意味)は何ですか?
- 上記の通り、駆け込み寺で決めたので、あまり大した由来もありませんが……。キルファの瞳の色に引っ掛けて決めました。で、決めた後でタイトルへのこじつけネタを思いついたので、終章にねじ込みました。
- 6 この小説を書き始めるきっかけはなんでしたか?
- 以前、サイバースペースを舞台にしたオムニバスの話を練っていたことがありまして。そこで思いついた、スラムの少年が『キルファ』でした。で、次に、少年が街をぶらぶら歩いている騎士にあっさりやられる場面が浮かびまして(第一話ですな)。この二つから主人公二人を作りました。あとは、この二人にあれこれエピソードを追加していった感じです。
- 7 この小説を書く上で、何か影響を受けたもの(他の作品や、他媒体の創作物など)はありますか?
- 妹に「影響受けすぎ」と言われたのは、榊一郎(ライトノベル作家)の作品全般です。ええ、これは自覚してます(汗)。他にも、読んだものが色々混じっているはずですが、多すぎて思い出せません。
- 8 これがあったから、この話がかけました!(これがなかったら、かけませんでした!)というものはありますか。
- とりあえずパソコンとTeraPad(テキストエディタ)。手書きだったらまず書かなかっただろうと思います。技術の進歩は素晴らしいですな(笑)。TeraPadも、色々なエディタを試してこれに落ち着いたので愛着があります。シンプルなんですが、使いやすいソフトです。フリーソフトですし。
- 9 ボツにしたストーリー展開を教えてください。
- 第七章で、ダレットが<鋼鉄の女神>に長剣を投げつけるシーン、あれ、最初の予定では銃を使う予定でした(汗)。カシュラルが、「これが今回軍部で開発された兵器なのだが」などと言って持ち出し、ダレットに渡すのです。で、キルファは自分に向けられた鉄の筒の意味が分からないままにフェードアウト。この世界観からすると、もうとっくに銃が発明されていてもおかしくないくらいの文化なので、そのフォローをしようと思ったのですが、やはりファンタジーのイメージにそぐわずにボツ。あのシーンから行くと、『投擲』よりは『射撃』の方が合ってはいるんですが……。
ついでに、第八章のカシュラルがリュシウスをかばいに入るシーン、あれも一番最初は彼女はダレットをかばう予定でした。リュシウスはものの見事に振られるはずだったのです(笑)。第一章、第六章の展開からいくと、この方がむしろ自然なのですが、これだとリュシウスに加えて、ダレットがキルファのことしか見ていないことを知っているカシュラル、自分のために目の前で人に死なれるダレット、と全員あまりにも救われないため、あの展開になりました。まあ、ダレットは余計に重いものを背負い込んだ感じもしますが(汗)。とりあえず、キャラの皆に最後は納得して欲しかったので。 - 10 プロット(思惑)どおりに進みましたか?
- 初稿を書いているとき、第八章の途中で止まった理由は、プロット通りに進まず、そのために行き詰ったからです(汗)。その他は、大体その通りに進みました。第八章も、しばらく間を空けて、詰まった少し手前から書き直すことで何とか終わらせました。
- 11 これが書きたくてこの話を書きました、という部分はどういうものですか?
- 特にこれ、と限定した部分はないんですが、主人公二人の関係ですかね。相棒とも恋人同士ともつかない感じで。二人の絆のようなものは話の軸になりました。
あとは、キャラそれぞれが自身に問いかけた、「自分は一体何なのだ」という疑問。一番はっきり出ていたのはカシュラルでしょうか。これは、私が自身に向けた問いでもあります。それぞれ、答えを出せていたでしょうか。 - 12 一番こだわったところはどこですか?
- こだわった……特にないです。結構、自然に書いていたので、これと意識した部分はありません。
- 13 一番好きなキャラクターと、一番嫌いなキャラクターを、理由つきで教えてください。
- 好きなキャラは、ヒロインことキルファ。一番、私自身の内面をぶち込みましたので、愛着があります。ネガティブな面も一手に引き受けてもらいました。ただ、今にして思えば、名前をもうちょっと可愛くしてやるんだった(汗)。書いていて楽しかったのはカシュラルです。彼女の無茶な設定の数々はほとんど私の趣味(笑)。キャラとして楽しかったのは、前半の女軍人の側面なんですが、彼女の本質は、後半に出てきた、穏やかな女性としての面だったと思います。
嫌いなキャラ……は特にないです。そういうキャラは作らなかったので。一番哀れだったと思うのはリュシウスですがね(笑)。こいつの最期は哀れといえば哀れでしたが、カシュラルの死は彼のやったことへの応報のつもりでした。しかし、それを言ったら、一番殺傷人数の多いのはキルファ……(汗)。でも、彼女も今後、やったことの罪を背負って生きていくはずです。 - 14 実際にいたら嬉しいキャラクターと、実際にいたら厭なキャラクターを教えてください。
- いたら嬉しいのは……サリクス。こいつ、基本的に器用で、戦闘から家事まで一通りこなします。一家に一台欲しい(笑)。彼氏には向きそうもありませんが、旦那か兄貴には向くのではないかと。と言うより、こいつは兄姉のいない作者の『理想の兄貴』でした。……ジェラルド兄は作者そのままなので、あまり突っ込まないでください(汗)。
実際にいたら困りそうなのは、上であれこれ語っておいてなんですが、カシュラル。絶世の美女なのは見ていて楽しいので(笑)ともかく、少しでもミスしようものなら、徹底的に論破されてきっと立ち直れません。自分にも厳しいですが、他人にも相当厳しい性格なので。見ている分には楽しいですが、付き合うにはとてつもなく疲れる人物だと思います。 - 15 この人にはこの言葉を言わせたかった!という台詞をキャラ別にどうぞ(実際に言わせていなくてもOK)。
- ダレット「奇麗事を言ってるから俺なんだよ(第六章)」。開き直ってしまった台詞です。このキャラを象徴する台詞のつもりでした。
- キルファ「……一緒にいても、いいの?(第一章)」。これが話を展開させる第一歩なので。これも、彼女の代表的な台詞のつもりでした。もう一つ、「あたしは……どうすれば良かったの?(第六章以降)」というのもありますが、これはストーリーの軸ですか。
- カシュラル「所詮、私にはこんな生き方しか出来ないのかもな(第二章)」と「何かを望んでも良いのかな……私は(第八章)」。この二つの差が、彼女の変化の証でしょう。それを出したつもりでした。
- サリクス「格好悪いだろ、このままじゃ(第八章)」。何だか影の薄いこいつを少しでも目立たせてやろう、ということで出した台詞。作者本人は格好よく言わせたつもりなんです……。数少ない見せ場でしたが、描写が途切れ途切れだったため、やはり目立たなかった気が(汗)。
- リュシウス「せいぜい、利用されてもらいます(第六章)」。……済みません、私の趣味です(汗)。穏やかな顔をして実は冷徹、のイメージだったので、そのまま突っ走りました。
- 16 この小説の登場人物たちを使って、別の話を書く予定はありますか?
- ありません。一応、作者の頭の中では、キャラたちのその後も(ある程度)決まっていますが、それについては小説として書く気はないです。何処かでちらっと語ることはあるかもしれませんが。ただ、番外編は何か機会があったら書くかもしれないです。それでも、続編としてではなくて、本編時点でか、それ以前のエピソードになるでしょう。
- 17 この小説の中でこの部分が一番会心の出来なのです! というシーン(か台詞)を抜粋してください。
- 長すぎるので抜粋は省略します。
第一章の、ダレット対カシュラル戦(第08話)。第一章の山場でした。書きながら同時に戦法を考えていたことはともかくとして(笑)、臨場感、逆転劇など、戦闘シーンの醍醐味を出せたのではないかと。作者としてはお気に入りの場面です。
第八章の、夕暮れにカシュラルとリュシウスが話すシーン(第70話)。二人の会話と夕暮れの情景を交互に入れて、情緒的に出来たかな、などと思ってました。未来を望む会話と次第に暗くなる情景で、二人のその後を暗示してみたり。
第五章のラスト、ダレットがキルファの手にちょこっとキスするシーン(第46話)。実は、初稿ではこのシーンはなかったのですが(キルファとシェルタが話すという展開でした)、恥ずかしさに耐えて(笑)こちらを決定稿に。やはり前半の山場なので。頂いた感想を見ると、割と好評だったようで、嬉しいというよりほっとしてます。
第一章と第八章に登場した、ダレットがキルファに手を差し伸べるシーン。それぞれ、そこから開ける道をイメージしていました。やはり、ここが話のキーポイントでしたし、一番思い入れのある場面です。 - 18 この小説で取り上げたテーマやアイデアに、もう一度別の形で挑戦してみたいですか?
- 多分、私の書く話のテーマとなると、多かれ少なかれ似たような感じになるのではないかと。これが変わるには、私の性格が変わらないと無理でしょうな(笑)。アイディアはどうなるか、よく分かりませんが。
- 19 何か、これだけはしておきたい言い訳というのはありますか?(笑)
- それはもう山ほど(笑)。……ただ、どんなに欠陥がありまくろうとも、作者自身は自分の小説が基本的に好きなんです、はい。怖くてなかなか読み返せませんが(汗)。過去のを読むと自分で自分の首を絞めそうなので。
- 20 最後に一言どうぞ!
- ここまでお付き合いくださった方々、本当に有難うございました。
問題提供:【天上捜索】
